2017年10月21日土曜日

墓地の整備に思う


 

養源寺では平成24年に大規模な墓地整備事業を行いました。この時は20基以上の墓石を整理し、墓地に空き地をつくり木を植えました。墓石を解体して更地に戻すには結構な費用がかかります。石の柵がある大きな墓だと50万円は掛かります。棹だけの小さな墓でも10万円は覚悟しておいた方がよさそうです。長年お墓参りがなく連絡不能の場合は、費用をお寺が負担することになりますので、計画を立てて無理のないように実施しなければなりません。
このたび三基のお墓を整理しました。一つは関東の方ですし、一つは複数の墓をお持ちの方です。この二つに関しては祭祀継承者から委任状をもらってお寺の方が責任をもって更地に戻しました。ご遺骨は安穏堂の納骨壇に安置することになります。残る一基は、一年間にわたりお墓に整理する旨を公示したうえで、更地に戻しました。こちらも安穏堂の納骨壇に安置させていただきます。
当山では、近年お墓をつくられる方は少なくなりました。その理由は、住職がお墓をつくることを勧めていないからです。
統計上でも祭祀継承者が四代続くことは稀です。多くは50年後が見通せません。墓はお参りする人があって、初めて墓として機能します。誰もお参りする方がないということでは寂しすぎます。お寺の場合は住職が毎日のようにお墓を見ていますので、お参りの有無はわかりますし、お盆には、あまりに寂しいのでシャシャキを入れたりすることもあります。
市営の墓地もたくさんありますが、草ぼうぼうの墓地も見かけます。おそらく祭祀継承者に連絡がつかなくなっているのだと思いますが、最終的には市の負担で更地にしなければならなくなります。そこに新しい墓が出来るのであればいいのですが、これからの時代、墓は少なくなっていくでしょう。そうなると市の負担がどんどん重くなってきます。これはすべて税金です。せめて墓地を分譲する時にリサイクル料金として解体に必要な経費を事前にもらっておけばいいと思うのですが、そういうわけにはいかないのでしょうか。
 

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