2017年11月7日火曜日

お寺の掃除

高校卒業50周年を記念した同窓会を来年やろうと云うことで、4回ほど幹事会を開きました。第一回目は市内のレストランでしたのですが、他のお客さんもいたり音楽が流れていたりで、話しがよく聞き取れないような状態でした。何しろクラスが15もあり、幹事が複数のところもあるので、幹事会と言っても20名以上が集まるのです。それだけでちょっとした同窓会気分です。2回目からは門徒会館や研修室を使って開催しています。
そのたびに同級生から聞かれるのが、掃除のことです。こんだけ広いと掃除が大変だろうというのです。確かにいつもきれいにしておこうとすると大変です。全部の部屋を掃除しようとすると、毎日案時間も費やすことになりますが、使う予定の部屋だけ掃除するようにすれば何とかなります。
最近は掃除ロボットもあるので、掃き掃除のロボット2台と拭き掃除のロボットを1台使っています。掃除機も6台あり、うち2台はスティック型のコードレスですから、手軽に掃除できるようになりました。
ロボットは部屋を使わないときや夜でも掃除できるので便利ですが、床に物がない状態にするのが少し手間です。
これから大掃除の時期が来ますが、仏具磨きや窓ガラスの掃除は時間がかかります。落ち葉の舞う境内は毎日こまめに掃除が必要です。こう考えると、お寺は掃除に費やしている時間が多いのかも知れません。でも汚いところで法事はしたくないですもんね。
 

2017年11月6日月曜日

性格はどう作られたか

今日は快晴でしたが、日陰では肌寒く感じられました。太陽のぬくもりがありがたく感じられる一日でもありました。
ユング、フロイトと並び称される心理学者にアドラーがいます。アドラーによりますと人の性格はその人のライフスタイルにそのまま出てくと言います。そのライフスタイルは、無意識のうちに幼いときにつくられたものだと云います。多くの動物は生後間もなく自分の足で立ち、自分の力で栄養を取りますが、人間は未成熟な状態で生まれますので、親の保護なしでは生きることが出来ません。
そのため親から見放されることを非常におそれます。親から見放されることは死と直結するからです。ある子どもは親の言うことを聞いていれば安心して暮らせることを知ります。また、ある子どもは自分の弱さを見せることで親の愛情を得ようとします。またある子どもは問題行動を起こすことで親を自分の方へ向かせようとします。
個別に見ていくとまったく違う行動のように見えるかも知れませんが、共通しているのは親の関心を引き寄せる行動であると云うことです。子どもなりに戦略を立てて行動しているわけです。そしてそのうちの成功した戦略だけが自分の意識のなかに残っていくわけです。失敗した戦略が使われることはなく、今後の人生では成功した戦略だけが繰り返し使われることになり、性格が出来上がっていくとアドラーは分析しています。
そのことがわかれば性格は変えることが可能です。自分ならこうするというところをあえて別の方法を試してみましょう。それを繰り返すことによって何が良いのかということがわかって来ると思います。さらに上を目指すライフスタイルを実践して見ませんか? 

2017年11月5日日曜日

仕事の選択

私はお寺に生まれ、また一人っ子だったので子供のころから漠然とお寺を継ぐものだという気持ちになっっていました。そういう意味では選択肢がたくさんあったわけではありません。大学を出て就職を決めるときも転勤のない地元企業で土日が休みということが条件でした。
友人の多くは県外に就職しましたが、中には東大を出て官僚になるか、大手企業に勤めるかで悩んでいる者もいました。また、地元企業の御曹司で、有無を言わさず跡取りになっていく者もいました。今になってわかるのは、学校の成績や学閥で将来が決まることはほとんどないと云うことです。大学を出るまではエリートコースを進んでも、社会に出てからはそううまく行かないことを見て来ました。社会に出てどんなことを経験して来たかが重要だと感じました。
お寺でなく一般家庭に生まれていれば、選択肢はいろいろあったのではないかと思いましたが、多くは親の影響を受けることがあり、親と同じ職業という人の多さにびっくりします。自分で仕事が選択できるのは、一定の人生経験を積んだ40歳以降のような気がしています。それから本当で自分の選択した仕事に就けると思います。
自分を振り返ると50歳で新しい仕事を経験しました。自分の意思で全く違う世界に飛び込みましたが、それが自分を大きく育てることにつながったと思います。現代は寿命が延びましたので、50歳からが勝負と考えてもいいと思います。自分のやりたいことを発見し、人生を大いにエンジョイしてください。

2017年11月4日土曜日

お布施に領収証は必要か?

当山では葬儀などのお布施に対して「ご懇志受領証」というものをお渡ししています。中にはお寺から領収証がもらえるのですかとびっくりされている方もありました。一般的な慣習から云いますと、お渡ししない方が多いのではないかと思います。私もいままで、施主の方から領収証を下さいと言われたことはありません。また、「ご懇志受領証」を出していると云っても、年回の法要や宅参りでいただくお布施全部に出している訳でもありません。ほとんど葬儀の場合だけと言ってもいいと思います。もちろん受領証の控えも残しています。
受領証を出す理由は大きく分けて二つあります。当山は宗教法人の会計をオープンにしている関係上、整合性を取るため受領書をきちんと出す方が望ましいと考えるからです。それから一般論として、喪主の中には出したお布施より過大な額を計上することがあると云うことです。
まさかと思われるかも知れませんが、葬儀にかかったお金は必要経費として遺産から控除されることが認められるからです。つまりケースによっては相続税が軽減することがあるのです。お寺が受領した額と支払ったとされるお布施の額が違う場合、差額を住職が個人で受け取ったとみなされる可能性はゼロではありません。万一個人が受け取ったとみなされると、給与所得となり源泉所得税の対象となります。受領証を出すことによりそのようなことが起きるのを事前に防ぐことが出来ます。
「お布施に領収証は必要か?」という問いに答えるとするならば、世間の感覚からすれば必要ではないが、出しても邪魔になるものではないし、手間がかかるわけではないので、出しておいた方が無難であると云うことです。
 

2017年11月3日金曜日

お寺は時間をかけて

昨年の12月に単独で相談に見えられた方が、ご主人と一緒に養源寺安穏堂の利用申込書を持って来られました。ご主人は3日前にお嬢さんと10か月のお孫さんとお見えになった方でした。
一緒に見えられて少しお話しをしていたのですが、奥さんが私は昨年来たのですよ覚えておられないでしょうがと言われました。
私のところは訪ねて来られた方が相談された場合は、必ず記録しています。お話を聞いている時もメモしますが、お帰りになった後、思い出しながら誰が見てもわかるように書き直します。そうすることによって、誰が二回目に対応しても経過がわかります。
今回も昨年来られたということで相談票を見ますと、すぐにわかりました。同じ話しを二度する必要がないのです。これはサラリーマン時代に会得したことです。窓口は交代して勤めますので、別の人間が対応してもわかるように連絡ノートを作っていました。それをパソコンに入力することによって、名前でも日付でも相談内容でも検索することが出来、相談内容がわかります。
お寺の場合はパソコンを使うほど相談は多くないので、手書きのノートで対応できますし、今回のように1年前の相談でも対応出来ました。サラリーマン時代は効率を求め合理的に仕事をしていましたが、お寺は違います。悩んで悩んで結論を出すことも多いので、数年かかることもあります。それを待てるのがお寺ですし、お寺は効率を求めてはいけないと思います。これからも人の心に沿いながら、ゆったりとした心で進みたいと思います。


2017年11月2日木曜日

新たな住宅問題

空き家は更地にすると税金が高くなるため、持ち主が放置するという問題は以前にも書きましたが、ここに来て新たな住宅問題が生まれてきました。地方、都会を問わず賃貸に住んでいるという高齢者は多いと思います。中でも昭和55年以前に作られた賃貸住宅は、今建て替えの時期を迎えています。このタイミングで、建て替えをするために住民に退去を求める建物が増えていると云います。これで困るのが夫婦や単身の高齢者です。
次の入居先を見つけようと思っても、家賃の問題や保証人の問題で困難を極めます。頼みの公営住宅は競争率50倍ということで、なかなか当たりません。そこでターゲットになったのが、数多くある空き家です。空き家に住むことが出来れば問題解決なのですが、空き家のほとんどが耐震に問題あるそうです。
耐震工事には高額な費用が必要となります。今後さらに増えていく退去を求められる高齢者のために安心して暮らせる住居を確保することが急務です。

2017年11月1日水曜日

お寺の診断結果

相変わらずお墓や永代供養のことで相談に見えます。1週間空くということはありません。それだけ相談しやすい環境が出来たのでしょうか?それとも、切羽詰まっている方が増えたのでしょうか。嫁ぎ先には菩提寺もあるしお墓もあるけど、旦那と同じ墓には入りたくないという方もおられます。そういうことはレアケースだと思っていましたが、そうでもないようです。
一般社団法人 お寺の未来が公開しているお寺のWeb診断を受けて見ました。次のグラフが当山の診断結果です。青が当山、ピンクが平均値です。



慈悲の社会福祉活動や充実したエンディングサポートの面が弱いことがわかりました。また、仏教・寺院運営に真摯な僧侶・スタッフが作れていないことにも問題がありそうです。
こういう客観的に見られる指標があると大いに助かります。これを作られた方が12月の鳥取因幡組実践運動推進研修会の講師で来られます。今から楽しみなことです。