2017年3月27日月曜日

みえない力




稀勢の里の千秋楽は劇的だったこともあって、新聞報道やスポーツニュースで大きく取り上げられました。テーピングをとった後のケガの具合を写した写真を見ましたが、脇の下から胸部にかけて、内出血で真っ赤でした。詳しい診断は出ていませんでしたが、筋肉の断裂ではないかと言われていました。全治三か月ということですから、果たして相撲を取ったことが正解なのかどうかわからないところです。優勝決定戦の勝負では、また左肩から土俵下に転落していましたから、さらに悪化する可能性もあったと思います。

二番の相撲の展開によっては、相撲人生を失いかねない場面だっただけに、あそこで強行出場したことに関しては、素直に同意出来ません。今回の優勝に水を差すようなことを云うと思われるかも知れませんが、体のケアはそのくらい大事なものであると思います。結果的には強行出場したことで、多くの方が感激の場面に遇うことが出来たわけですから、拍手を送りたい気持ちはわかります。

しかしこれを見て多くのスポーツ選手が少々のケガに負けずに頑張れば、それは必ず報われると思ってしまったら困るのです。今回のことは奇跡に近いので、絶対に真似をしてもらっては困るのです。
稀勢の里は見えない力を感じたと言っていましたが、見えない力が勝たせたのではなくて、見えない力が次のケガを防いだのだと思います。これを美談にしてはいけないと思います。事故やケガで一生を台無しにする場合もあります。くれぐれもこれを見本にしないようにと言いたいです。



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