2017年3月29日水曜日

聞法のための道場

一昨年実施された宗勢基本調査では、中国地方の中でも山陰地区の本願寺派寺院がおかれている状況が浮き彫りになりました。山陰教区内では、解散・合併を考えているという寺院がほぼ三分の一に達しています。寺院周辺の人口が減ったと答えた寺院は9割を超えています。過去20年間で門徒数が減少した寺院は72%に上ります。また、年収50万円以下の寺院が23.3%を占めているという結果です。

ここまで具体的な数字が上がると、2040年頃には、日本の寺院の三分の一が消滅するという言葉も現実味を帯びてきます。この調査でそこまでひどくないと思われた寺院もいずれ同じ道を辿ることになります。

寺院存続で一番大きな問題となるのは、跡継ぎと伽藍維持です。跡継ぎについては、世襲という枠にとらわれなければ、公募という方法もありますので、絶対無理ということはありません。継ぎたいと思う魅力あるお寺をつくれば、後継希望者はあるでしょう。一番大きな問題は伽藍維持です。当山のような本堂でも内陣の荘厳を含めると2億円と言われています。100年後としても、毎年200万円の積み立てが必要となります。コンスタントに1,000万円以上の収入がなければ、結構苦しい額です。

次善の策としては、浄土真宗の本堂にこだわらず聞法道場としての道を探すことです。聴聞できる場としての広間で考えると5,000万円で可能です。これなら毎年50万円の積み立てが出来れば可能です。生き残る道が見えてきます。明日以降は敷居を低くする方法について述べてみたいと思います。

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