昨年の12月20日に発行された水月昭道さんの「お寺さん崩壊」を読みました。まず、毎日新聞で紹介された記事をご案内します。
【著者は、以前、自らを含む博士号取得者の生活苦を描いた『高学歴ワーキングプア』で話題となった。実は寺の生まれで、今は住職を務める。「坊主丸もうけ」で余裕の生活になったかと思えばさにあらず。寺院からの個人収入は年200万円以下とか。実は、全国で多くの住職が似た苦境にあるという。
新興住宅地育ちなどであれば想像できないだろうが、全国の寺院数は、コンビニエンスストアより多い。ただし、近世の人口比に即して地方に多い。檀家(だんか)が減って寺だけでは食べられない。教員、公務員などとの兼業で昼夜の別なく働き、<お浄土がすぐそこに見える気がする>ほど疲れ果てる住職も。兼業できる仕事も減っている。都市部などの一部僧侶のぜいたくぶりは例外という。
他方、寺檀制度に頼り、仏教を伝えるという本来の役割を怠っているかのような僧侶がいるのも事実だろう。本書は、「終活」ブームなどの背景にある世間の「仏教ニーズ」をくみ取った、「葬式仏教」の先にある寺院・僧侶像をも紹介する。「お寺さん崩壊」は、僧侶にも一般の人にも、仏教との新しいつきあい方を選ぶチャンスでもあるのだ。毎日新聞2017年1月15日朝刊】
著者は浄土真宗のお寺のご住職なので、書かれていることは私のお寺の置かれている状況も似ているなと思いました。ただ給料は私の方が少なくて年間120万円です。それ以外にサラリーマン36年間の年金があるので、何とかやれています。ただ本書にも書かれていますが、本堂や庫裏の減価償却にあたる積み立ては行なっていません。本堂・庫裏をあと50年間持たせるとしても、年間600万円程度の減価償却費が必要となりますが、とてもそんな余裕はありません。
本書冒頭に廃寺されたお寺さんの例が載っていますが、諸手続きや解体などで更地に戻すのに一千万円かかったそうです。生活が成り立たなくなってお寺を止めるのにも相当なお金が必要なことに驚きました。前半は①給料が少ない②休みがない③葬儀は時間を選ばない④今の時代兼業は無理ということで、こんな条件では住職のなり手が無くなるようなことが赤裸々に書かれています。
明日につづく
0 件のコメント:
コメントを投稿