2017年11月4日土曜日

お布施に領収証は必要か?

当山では葬儀などのお布施に対して「ご懇志受領証」というものをお渡ししています。中にはお寺から領収証がもらえるのですかとびっくりされている方もありました。一般的な慣習から云いますと、お渡ししない方が多いのではないかと思います。私もいままで、施主の方から領収証を下さいと言われたことはありません。また、「ご懇志受領証」を出していると云っても、年回の法要や宅参りでいただくお布施全部に出している訳でもありません。ほとんど葬儀の場合だけと言ってもいいと思います。もちろん受領証の控えも残しています。
受領証を出す理由は大きく分けて二つあります。当山は宗教法人の会計をオープンにしている関係上、整合性を取るため受領書をきちんと出す方が望ましいと考えるからです。それから一般論として、喪主の中には出したお布施より過大な額を計上することがあると云うことです。
まさかと思われるかも知れませんが、葬儀にかかったお金は必要経費として遺産から控除されることが認められるからです。つまりケースによっては相続税が軽減することがあるのです。お寺が受領した額と支払ったとされるお布施の額が違う場合、差額を住職が個人で受け取ったとみなされる可能性はゼロではありません。万一個人が受け取ったとみなされると、給与所得となり源泉所得税の対象となります。受領証を出すことによりそのようなことが起きるのを事前に防ぐことが出来ます。
「お布施に領収証は必要か?」という問いに答えるとするならば、世間の感覚からすれば必要ではないが、出しても邪魔になるものではないし、手間がかかるわけではないので、出しておいた方が無難であると云うことです。
 

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