2017年1月7日土曜日

残された家族での出発

私が関わった葬儀のことしか言えませんが、四十九日が終わるまでは仏事に追われて、これから先のことを考える余裕はありません。残されたものでこれから家をどうして行こうかということは、満中陰のハガキを出してから考えることが多いようです。四十九日法要の次の法要を百箇日法要、別名で卒哭忌(そっこくき:嘆き悲しむことから卒業する法要)と言いますので、それが終わってからでもいいような気がしますが、現代生活のテンポでは、遅すぎるかも知れません。

大黒柱を亡くされた場合には、一番初めに経済的にどうして行くかということを考えなくてはなりません。定年前の方であれば、ある程度の生命保険に入っておられると思いますが、それで永遠に暮らせるわけではありません。一般的には三年間を目安に生活の立て直しを図ることになります。
残されたのが高齢者であり、収入は国民年金しかないという場合は、生活して行くのが困難ですので、国のセーフティネットを頼ることになります。

いくら仲の良い夫婦であっても、どちらかが見送ることになりますが、ぽっかり空いた穴を埋めるのは容易なことではありません。ぽっかり空いた穴というのは、亡くなられた方からいただいていた支えなのです。あなたが間違いなく支えられていたということの証なのです。蓮如上人はそのことを「悲しみは悲しみのままで終わらせてはならない」とおっしゃっています。支えられていたことに対してどう応えてゆけばいいのかということです。感謝の気持ちを世の中にどう返して行けばいいのかということです。

残酷な言い方ですが悲しみの穴を埋めるのは読経でも法話でもありません。後で聞いてみると、どちらも記憶に残っていないと言われます。それが出来るのはあなた自身しかないと思います。そして時がそれを手伝ってくれると思います。家族に出発の掛け声をかけるのはあなたの役割です。

2017年1月6日金曜日

それを言っちゃあ お仕舞よ

月刊住職1月号の隅っこの「されどわれら住職」欄に、ある坊守さんの言葉が載っていました。法事一つとっても最低限の必要経費(材料原価)があるので、それをお布施の中に含まずに、〇〇料のような形で納めて欲しいというものでした。確かに一つの法事で茶菓代や供物代や仏華代など合計すれば一万円は軽く超えます。そしてそれはお寺が支払っているものですから具体的に目に見えます。

一方お布施は、お寺を維持していくために使わせていただきます。具体的には伽藍の維持管理費、修繕費、専従者の人件費、上部団体会費、保険料、教化費など多岐に亘ります。収入が支出を下回った場合には、人件費の不払いが真っ先に来ます。しかしお布施を渡す側からすれば、そんなことは考えません。この法要にかかる費用にあててもらうという感覚だけでしょう。

この坊守さんは、必要経費がいくらかかっているかを教えなければならないと思っておられるようですが、それは対症療法と言えます。いわゆるその場しのぎです。それで寺院会計が苦しくなっているなら、根本治療が必要です。そのためにはお寺の経理を全面公開することが必要になって来ると思います。

そうすることで、お寺も丸儲けではなく、こんなに大変なんだとわかってもらえます。私のところもオープンにしてずいぶん経ちますが、お金のことで文句を言う方は無くなりました。人は隠すと邪推します。お寺にとっていいことは一つもありません。住職はオーナーではありませんし、お寺は公益団体ですから利益を出す必要はありませんが、赤字では成り立ちませんので維持するためには最低トントンにしなければなりません。

住職の裁量で出来ることもありますが、最終的にはご門徒さんの判断であり、お寺を支える地域の方の判断です。無くてもいいお寺であると判断されたなら、いのちは短いでしょう。最近は地域の大切なものを守って行く力が弱くなっています。その力を引き出すのも住職の役割だと思うこの頃です。

2017年1月5日木曜日

傘寿まり子を読みました


今話題の、「おざわゆき」さんの「傘寿まり子」を読みました。小説ではなくコミックです。ここからはネタバレを含んでいますので、まだ読んでいない方はご注意ください。読み始めは高齢者の置かれた住みにくい世の中を描いていますので、重い漫画かなと思いってしまいますが、独立しようと家を出てからは、楽しい冒険物語を読むようです。

作者の言葉を借りますと、最近お年寄りが元気なのにヒントを得て、すっごい元気でアイドルみたいなおばあちゃんを描いたら楽しそうということで始めたそうです。テレビでも「ご長寿早押しクイズ」というのがあり、正月もやっていましたが、思いがけない珍回答が笑いを誘います。受けを狙ってやっているのではないところが面白いですが、哀愁もあります。

ネットカフェで暮らしたことがないのでわかりませんが、老人には快適な暮らしとは言えないでしょう。アパートを借りるにしても保証人という障害がありますし、80歳で一人暮らしのものに貸してくれるような物件を見つけるのは至難のワザのようです。猫ちゃんを飼うという展開がありますが、どうなることでしょう。

お寺に写経に来る方の中にも、猫ちゃんとふたり暮らしの方がおられますが、猫ちゃんを看取るまでは元気でいないといけないといろんなことに頑張っておられます。漫画の中のことと思えない現実があります。若いころの憧れの人と巡り合い、一緒に暮らすことになりそうですが、これからどんな展開をみせるのか次号が楽しみです。

2017年1月4日水曜日

次世代へ相続出来るもの

新年も4日になり通常の生活に戻りつつあります。元旦会から始まった2017年ですが、全国的に見ても平穏な年明けだったような気がします。三が日は例年になくお酒が進みました。何より雪が全くないのが有難いです。雪がなくて困っておられるところもありますので、あまり自分勝手なことばかりは言えませんが…。

昨日は子供たちが集まって一緒に食事をしました。三世代揃いますと12人です。子どもたちの元気はいつの時代でも変わらないようです。ただ孫の世代に何が残せるのか頭の痛いことです。今のままでは国の大借金をそのまま渡すことになりかねません。私たちの世代は親から戦争でボロボロになった国を渡されました。何もなかったのでゼロから作り上げて来ました。ある意味でやりやすかったかも知れません。

今のままでは次の世代に、多くの負債と廃墟を残すことになるでしょう。今でも住む人のない空き家が日本全国に820万戸(2013年調査)あり、空き家率は13.5%となっています。これが、2033年には約2,150万戸と2.6倍になります。空き家率は30%を超えます。持ち主がわからなかったり、解体費用が出せない場合は税金が投入されることになります。木造住宅はリフォームが出来ますので、何とか再利用の道を見つけて欲しいところです。

夜、犬の散歩をしていますと、灯りのついていない家が点在していることに気が付きます。空き家の問題は都会のアパートだけでなく、地方都市にも広がっていることがわかります。ご門徒さんから住宅をお寺に寄付したいと言われたこともありますが、用途もなく管理も出来ませんので丁重にお断りしました。固定資産税だけを払い続けるのも無駄なことですので、有効利用できることがないものでしょうか。個人レベルでなく、国のレベルで相続税の問題を含めて早急に対策が必要です。

2017年1月3日火曜日

老人を捨てる国?

2025年には、日本国民の三人に一人が65歳以上になります。75歳以上でも5人に一人の割合です。人口問題をないがしろにしていた国の当然の結果です。今の団塊の世代が小学校の頃には今のピラミッドが釣鐘型の人口構成になることはわかっていました。老々介護の問題が言われてからも久しいです。何故手を打たなかったのか?

今になって慌てて打っている手は、国を守るためのもので、国民を守るためのものではありません。2015年に介護保険料は、上がり始めました。年収280万円以上は1割から2割へ、次期改正では年収383万円以上は3割負担となります。

最終的に介護保険は一律三割負担になる可能性が高くなっています。そして介護度の低い高齢者は「高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援」という名のもとに介護保険制度から切り離そうとしています。お金のない高齢者には介護保険を使えないようにし、お金のある高齢者からは自己負担額を高くして貯蓄を使い果たすように仕組んでいます。

安倍政権の狙いは、介護保険の自己負担を増やし、利用する高齢者を抑制し、介護事業所をつぶして国の歳出を減らそうということです。そうなると軽度介護者は行くところがなくなり、自宅に籠るか、徘徊することになります。認知症が増え、徘徊が増えると緊急支援の広報が頻繁になります。夜中に国道を歩かれると避けようがないかも知れません。

認知症が進むと免許証を返納したことも忘れてしまいます。でも運転は出来ますのでさらに危険度が増します。そこに損害賠償がからむと、家庭崩壊となります。最近高齢者の交通事故がにニュースで取り上げられることが多くなりました。認知症の方は、事故を起こしたことすら忘れてしまうので、不法行為の裁判も成り立たなくなります。これは高齢化を国が放置した責任かも知れませんね。

2017年1月2日月曜日

人感センサーライト


LEDが出来てから消費電力が少なくなりました。お寺中LEDにしましたので電気代が安くなりました。初期のLEDは青白い光で温かみがなく、目を射すような刺激のある光でした。今のLEDは、昼光色、白色、電球色の三種類あり、部屋の使い道によって使い分けることが出来ます。

明るさでいうと昼光色が一番明るく、白色が10%減、電球色が20%減といような感じです。使い分けとしては、ダイニングは全体を昼光色で明るくし、テーブルセンターは電球色で食べ物を美味しく見せるというような使い方です。和室は電球色が似合います。全体的にどこでも使えるのは白色です。好き嫌いなく万人向けです。

本堂のろうそく球もLEDを使っています。ロウソクの光に似ている電球色を使っています。これまで使っていたロウソク球は、ぼんやりとした明るさで消費電力は5Wでしたが、LED球は消費電力0.5Wです。なんと10分の1です。これなら点けっぱなしでも大丈夫ということで、養源寺の本堂は24時間点けっぱなしです。

お寺は薄暗いところが多いので、コンセントからとって人感センサーライトを点けていました。消費電力は60Wから100Wですので、それなりに電気代がかかります。それを助けてくれるような人感センサーライトがたくさん発売されました。昔と違って不良品がなくなりました。

LEDが6個から16個ついて二千円以内であります。このライトはモードが三種類あります。①フルパワーで点きっぱなし②半分のパワーで点きっぱなしに加え、人感センサーが反応するとフルパワー③人感センサーでフルパワーです。

Amazonでもたくさん出ています。レビューがたくさんあって、☆4つ以上のものがお勧めです。電気代なしでイルミネーションのような世界を作ることも可能です。





2017年1月1日日曜日

元旦会

一年の初めにお寺では元旦会をお勤めしました。初めてお参りされる方も数名いらっしゃいました。除夜の鐘がある処は除夜会をされ、続けて元旦会をされるところもあります。養源寺は梵鐘を第二次世界大戦に拠出しましたので、除夜の鐘はありません。 返して欲しいところですが、拠出の証拠が残っていません。政治とはそういうものです。国民の生活のことなんか考えていません。政治家が求めているのは、自分たちの生活の安泰と国体の保持です。今回のアメリカを見ればよくわかります。トランプさんは自分の心に素直なのです。人間は自己中心的なものだということを教えてくれます。 親鸞聖人はそれを見抜いておられました。そしてその凡夫を救えるのは阿弥陀如来しかないとわかっておられました。自分最優先なのが人間です。でも他人のことも考えたい。自分だけが幸せになれるわけはない。周りが幸せで初めて自分も幸せになれるのです。 さあ、今年はどんな年になるのでしょう。三歩進んで二歩下がる人生なのでしょうか。それとも一足飛びの人生なのでしょうか。それは誰にも分かりません。あなたの一年に幸多かれとお念じ申し上げます。今年一年宜しくお願い申し上げます。