2017年1月13日金曜日

司馬遼太郎の十六の話


司馬遼太郎の十六の話という文庫本があります。エッセー風の十六の話しが納められています。司馬遼太郎は歴史小説家と見られているようにNHK大河ドラマの原作となった作品も六点あります。

この本の中にも書かれているように、司馬遼太郎は浄土真宗の家に育ったようです。親鸞聖人についても「当時の仏教は歴史を経るにしたがって垢がついてしまったように感じ、釈迦の仏教に帰りたいと思って勉強した人物」という風に紹介されています。

大局的に二千年近くの歴史を語っていますので、細かいところはバサリと切り捨て、わかりやすい本になっていますが、場合によっては小説のように司馬風になっており、面白く読めます。たた、大きく分かれる意見がある場合でも、片方を切り捨てていますので、実証性という意味ではお薦め出来ません。

名も知られていない一人の人物に焦点をあてて、その行動を分析し評価を高めるような手法は彼ならではのものかも知れません。曲がりくねった歴史をまるで道路を作るように直線にし、見晴らしの良い姿にしていますので、小学校時代にこのように歴史を教えてもらっていたら、歴史が好きになっていただろうなと思います。

高校時代まで歴史が嫌いだった私としては、司馬遼太郎が先生だったら日本史の点数ももっと良かっただろうと思います。正しい年代や細かなところは、興味を持ってからいくらでも学べます。興味を持たせるのが教師の仕事のような気がする本です。
 

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