2017年1月27日金曜日

お寺と住職

一般的なお寺の規模を企業に例えるとほとんどが零細企業になります。零細企業とは製造業でいえば常時雇用労働者が9名未満となっています。特に多いのが常時雇用は住職と坊守だけですから、どちらかと言えばお寺=住職と言うことになり兼ねません。 

実際にも住職が変わったことでお寺が変わったという例はいくらでもあります。住職の思いがそのまま表に出るのがお寺であるとも言えます。お寺で取締役会に当たるものは、責任役員会です。宗教法人法のモデルでは、責任役員会は3名以上で構成することになっており、そのうち1名は住職であり代表責任役員となります。定数を3名とした場合あと2名は門徒代表でもいいのですが多くの場合寺族がなることが多いようです。そのため多数決の採決では、お寺側2名門徒側1名となり、対立した場合はお寺側の意見が通ることになります。これがお寺が寺族化しているという批判の理由でもあります。 

お寺には総代がいるではないかという人があると思いますが、総代は宗教法人法での規定はなく、寺院規則で決められた住職の諮問機関であり、決定権はありません。また総代は住職が任命するので、そこにも住職カラーが出ます。そうはいっても人としての力量の違いは出ますので、しっかりした考えの総代さんがいれば、住職の重しになることは間違いないでしょう。 

零細企業と聞くとデメリットばかり思いつきますが、自分の考えだけでうまく立ち回ることも可能です。つまり身軽に方向転換をすることも出来ます。間違ったと思ったら変えればいいだけです。さらに従業員に払う給料があるわけではないので、支出もコントロール可能です。勤務時間に制限があるわけではないので、年間変形労働時間制が取れます。これからお寺が生き残れるかどうかは、住職にかかっていると考えてもいいでしょう。法の範囲内で自由にコントロール出来るというのは、案外良いことかも知れませんね。
 

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