2017年1月30日月曜日

最後のお別れ

今日は一日雨が降っていました。午前中の雨の止み間を見て棺を本堂まで運んでいただきました。いわゆるこれがご自宅からの出棺にあたります。門徒会館は自宅と同じように使っていただくので、本堂までの60メートルが葬送の隊列となります。本堂でのお勤めを葬場勤行といい、一般的にはこれを葬儀と呼んでいますが、本来は臨終勤行から還骨勤行までを葬儀(葬送儀礼)といいます。 

臨終のお勤めをした直後は、家族だけで葬儀を行なうという気持ちでおられました。話しを聞くとご主人が地域の付き合いをきちんとされる方でしたし、同業組合や町内会には連絡をしないといけないということでした。もし死亡したことを近所の方や親戚に知らせずに、身内だけでやってしまうと、しばらくは自宅に弔問客が毎日のように来られることになります。 

いろいろなことを考えて最終的には、一般的な葬儀をされることになりました。結果的には良かったと思います。私も親しい方であったのに喪中はがきで初めて知ったということがありましたが、亡くなられたんだということが腑に落ちないまま過ぎているような気がします。葬儀に出るということは弔意を表すと同時に、自分の中でお別れをするというけじめのような気がします。 

誰にも知らせず家族だけで済ませるというやり方を取られる理由は、故人がそう望んでいたからということが多いようですが、故人もいろんな人を支え、いろんな人に支えられた人生だったと思います。その死を隠す必要はないと思いますし、隠し通せるものでもないと思います。ただでさえ人のつながりが少なくなっている現代です。最後のお別れはきちんとしたいものです。 
 

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