2017年1月26日木曜日

お寺はこれからも存在するのか

21日の鳥取因幡組門徒総代研修会で「20年後の寺院像」について話しをすることになっていますので、資料をまとめているところです。寺院の存続危機が叫ばれて久しくなります。きっかけは今から29年前に放送されたNHKスペシャルの「寺が消える」でした。本当はこのとき気づいていればまだ多くの打つ手があったのでしょうが、これは一部の場所でのこととか、まだまだ自分には関係のないことと大半の寺院は思っていました。 

実際は今から40年前には日本の人口構造が大変なことになり、少子化・人口減・超高齢社会がやって来ることはわかっていました。しかし直前にならないとわからないのが、人の本性ですから今になって慌てているわけです。お寺もようやく今になって対策を考えようとしていますが、寺院の3割減というのは避けられないでしょう。特に人口が一万人未満の町村では、自治体自体が消滅可能性があるということですので、地域無くしてお寺が存在するのは難しいと言えます。 

この現象は小さな町村だけにとどまらず、地方都市にも波及して行くと思います。寺も人口動態に引きずられるので、生活しやすい場所にあるお寺だけが大きくなって生き残って行くという形になると思います。都市周辺部以外にある寺院は、観光資源や宿坊、修業体験、カルチュア教室など特長を持たせて行かなければ生き残るのは難しいと思われます。 

また一方ではお寺と関わりがあるのはお墓があるためであったり、お世話になった先祖供養のためというようなことが大部分であり、教義に惹かれたとか信仰・信心によるものはほとんどないと考えられます。そのため先祖供養に力を入れているような宗派が選ばれることはあると思います。
 
このたび大局的な視点からお寺を考えたたいと思って、歴史的背景を勉強したのですが、あまりにも紆余曲折がありすぎて、どう体系づければいいのか迷ってしまいます。特に権力との対峙という面では情けないほど迎合的です。これで本当に庶民を救って行けるのかと思ってしましました。

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