2017年1月19日木曜日

刹那ということ


一月もあと十日余りとなりました。少し前が正月だったとは思えないほど早く過ぎ去ります。お釈迦様はものごとを正しく見ることを勧めて下さいました。無明からの解放です。私たちは今ある姿が変化せずに当面は続くだろうと思っています。ですから予定を立てたり、約束したりします。 

仏(ぶつ)の智慧から見れば、すべてのものは移り変わっています。私も刻一刻と老化への道を突き進んでいます。これは生まれた瞬間から始まっていることなのです。あらゆるものが連続して動いているように見えますが、これは脳が補正しているだけで、本当は一瞬の連続なのです。これ以上分割することの出来ない時間を仏教では刹那と言います。 

パラパラ漫画をご存知だと思いますが、一つの絵と次の絵をスムーズにつないでいるのは脳です。映画の絵は一秒間に24コマ、テレビは30コマです。静止画を脳でつなぎ合わせてスムーズに動いているように感じているだけです。超スローモーションでも500コマくらいです。 

木村泰賢さんという仏教学者が、映写機のフィルムに例えて、過去は巻き取られたフィルム、現在は今映っている一コマ、未来はまだ映していないフィルムであると言われました。こう考えると、今というのはほんの一瞬であることがよくわかります。未来のフィルムには何が映っているのかは分かりませんし、どれくらいの長さかもわかりません。フィルムが切れているのかもわかりません。
 
DVDの映画であれば気に入ったシーンを何度でも再生できますが、人生は再生出来ません。だからこそ今という時間が大切なのだと思います。因果関係でいうと、過去の原因が今を作っているのです。今が未来を作るのです。今を大切に生きましょう。

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