2017年12月25日月曜日

初七日を繰り上げるということ

鳥取県の西部地区の方に行くと、葬場勤行はご遺体ではなくお骨で勤めます。なんでも米子市は商人の街なので多忙のため長時間お参りすることが出来ないということで、火葬は先に家族だけで済ませ、お骨を持って帰って来てから葬儀をします。そして各自焼香が済み次第、帰途に着かれますので読経が終わることには、式場には僧侶のほかには誰もいないという感じです。親族は出口で会葬者にお礼を言いますので先に出口で待たれます。そして葬儀終了後はセットのように、必ず繰り上げ初七日のお勤めをします。
鳥取県の他の地区では、ご遺体を前に葬儀を勤めご遺体が火葬場に向かうところをお見送りして葬儀が終わります。最後に還骨のお勤めをして、臨終勤行から始まった一連の葬儀が終了します。時折初七日を当日にお願いしますという方もあります。勤めることもありますが、その場合でも本来の初七日のお勤めはさせていただきます。
聞くところによると、葬儀当日に四十九日まで済ませるところもあるようですが、四十九日経ったから意味があるのであって、葬儀当日勤めても意味をなしません。どうしても参列できない方には、開始日時をお知らせしてその時間に鳥取のほうを向いて手を合わせていただいたほうが理にかなっていると思います。
世の中には時の経過で気持ちも変わり、その時になってわかることがたくさんあります。いちいち面倒だからとまとめて行うことに何の意味があるのでしょう。誕生祝、七五三、入学祝、卒業祝い、成人式、就職祝い、昇任祝い、栄転祝い、結婚式、新築祝い、還暦、古希などお祝い事もいろいろありますが、あまりまとめてやるというのは聞いたことがありません。
日にちが近くても、クリスマスと正月を一緒にすることはまずないでしょう。初七日も同じです。葬儀当日にする法話は、喪主の方はほとんど覚えておられませんが、初七日は少し心に余裕が出来て、しっかりと聞かれます。そんな機会をなくしてしまう風潮は悲しいことです。当山は可能な限り七日ごとのお勤めをするようお勧めしています。

0 件のコメント:

コメントを投稿