2016年11月2日水曜日

生き残るお寺

いよいよ冬が近くなってきたということで、灯油を買いに行く準備をしていました。通りがかった近郊の他宗のお寺さんと立ち話をしました。やっぱり話題は、これからのお寺の未来をどうするかということでした。

何億という寄付を集められる寺院がある中で、10万円の寄付に対しても檀家さんから怒られる寺院があります。多様ですがお寺の寄付集めが難しい時代になりました。私のところは寄付の依頼額を決めたり、寄付の強制はしていませんが、必要な事業に対しては予算を立てて試算してみたりはします。

お寺で費用がかかるものには、新築や増改築、大修理などの建築関連費用と住職継職など特別な法要があります。普段から積み立てておけばいいのですが、積立金が足りない場合などは寄付を募ることになります。

私のところも数年後には住職継職法要を勤めますので、今から積み立てをしておかなければなりません。積み立てのもとになるのは、お布施です。お布施はお寺を存続させるために門信徒の方々が出される寄付のようなものです。決して法要のお礼や住職への謝礼ではありません。

お寺を護持していくための最低限の費用は護持会費として負担いただいています。現在は宗教法人として駐車場を購入したり納骨堂を建設した時の借入金が残っていますので、来年より住職や坊守の給与をゼロにして返済に回そうと思っています。

高齢社会になり年金暮らしの門徒さんが多くなっていますので、昔のように寄付をお願いすることは難しくなるでしょう。また、葬儀に関しても規模を小さくし、簡素化したものが好まれるようになると思います。そうなればお寺での通夜・葬儀も選択肢の中に入って来ると思います。今のうちにその環境を整えておくことが必要です。

お墓もいらなくなる時代が来るでしょう。大きな墓地を持っておられるお寺は、空いた墓地をどうするか今から考えておく必要があると思います。先が見えなくとも、予測できることには対応しておかなければならない時代となりました。

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