2016年11月21日月曜日

ガン治療最前線

 
昨夜のNHKスペシャルは『“がん治療革命”が始まった~プレシジョン・メディシンの衝撃~』というものでした。プレシジョン・メディシンという言葉は初めて聞くものでしたが、内容を見て革命という言葉の意味がわかりました。

ガン三大療法の一つである化学療法、つまり抗がん剤による治療は、いままでガン細胞の合成そのものを阻害するのが目的であったのに対し、プレシジョン・メディシンというのはガン細胞に強く発現している因子を抑制する薬を見つけることで腫瘍の増殖を抑えることが目的です。

正常な体では、必要以上に細胞が増え続けないよう、細胞増殖因子の働きは、厳密にコントロールされていますが、ガン細胞は自己の細胞の増殖プログラムを呼び起こすことで自己増殖します。細胞増殖因子が細胞に増殖する指令を送ることで増殖を続けます。

細胞増殖因子の働きを抑えるために使われるのが、分子標的薬という薬です。この薬を見つけるのにプレシジョン・メディシンという方法が取られます。プレシジョン・メディシン(精密医療)は、簡単に言い表すとすればオーダーメイドの治療です。一人ひとりの病気に一番最適な方法を遺伝子レベルで分析し適切な薬を投与しながら治療するものです。

今までは大腸ガン、肺ガンなど臓器別に薬が与えられていたガン治療ですが、遺伝子変異別に最適な薬を選ぶことにより長生きが期待出来ることがわかって来ました。また、どの遺伝子変異がガンに結びついているのかということに関しては、莫大な研究論文を人工知能に学ばせることにより原因となる遺伝子変異を突き止めることが可能になっています。

様々な分野で研究開発が進んでいる現代、ガン撲滅が現実になる日も遠くはなさそうに感じました。

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