2017年10月25日水曜日

外在時間と内在時間

交通手段がなくどこへ行くにも歩いていた時代と比べると移動に関する時間は、圧倒的に短くなりました。そんな昔でなくとも、移動スピードはどんどん進化して、時間軸で見ると余裕が出来ています。また炊事、洗濯、掃除などの家事や、仕事に関しても機器や道具の発達により、時短化が進み、時間的には自分に使える部分が増えていると思われます。
それにも関わらず現代人は何故か忙しい日々を送っています。空いた時間に更に多くのものを詰め込むからだと思いますが、その詰め込んだものは本当に必要なものでしょうか。
私たちが日常的に使っている時間を、外在時間と言います。時計で計れる時間のことです。はじめと終わりがあって、かかる時間を計りその速さを競います。つまり短い方がいいわけです。
一方内在時間とは、自分が感じる時間のことです。時計で計ることは出来ません。時計で計れば長い時間を、あっという間に過ぎてしまったと感じることがありますが、あれが内在時間です。この内在時間を長くすることが現代人には必要なことだと思います。街中で見かける若者の姿は、一様にスマホ画面を眺めています。そしてLINEを送ったあと返事がすぐ返って来ないと不安になると云います。これは内在時間の感じ方が短くなっていることを現しています。
内在時間の感じ方が短くなると、イライラしたり怒りっぽくなったり切れたりすると云われています。内在時間の感じ方を長くするには一見無駄と思える時間を過ごすことです。田舎に行ってあらゆる機械から体を遠ざけ、自然に囲まれて時間を忘れて過ごすことや、ご先祖の法事をして意味の分からないお経を聞く時間を持つことが内在時間を長くするのに有効と云われています。
合理的効率的経済的を追い求める世界から、真反対の世界へ身を置くことの大切さがわかる考え方だと思います。

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