2016年12月13日火曜日

寺院会計のあり方

 
次にあげられているのが、「適切な会計、各種規約の整備等、寺院運営の近代化の必要性」です。この文面を見るだけで今の時代に近代化が必要とは、お寺はどれだけ遅れているんだと思ってしまいます。

前住職の時代を振り返って見ますと、食べるのに精一杯ということもあったでしょうが、賃貸の下宿人を置いたり、貸倉庫業、貸車庫、貸販売会場などをやっていました。今で言う宗教法人の収益事業です。税務がどうなっていたのかは分かりません。

お寺の会計もどんぶり勘定でした。宗教法人という概念はなく、教師としての収入+お寺の収入が住職の収入という感じでした。ですからお寺の収入がないときは赤字会計だったと思います。ただ、お米や野菜がお布施の中心でしたから食べるものには困らなかったと思います。

現在は宗教法人法に基づき会計処理をしていますし、毎年の決算や財産目録、役員名簿は監督官庁である県に提出しています。住職の収入は毎月宗教法人からいただく給与です。サラリーマンと同じように所得税、住民税、社会保険料を納めています。

また、宗教法人の決算内容は護持会運営委員会で公開していますし、門徒さんからの開示要求があればいつでも公開します。これを見れば収入と支出のすべてがわかります。私が36年間全労済という生活協同組合に勤めており、会計経理を担当していたこともありますので、税理士を頼まなくても日常の会計処理は自分で出来る点が大きかったと思いますが、これからの寺院は中小企業並みの会計処理を求められると思います。

また、寺院規則や墓地管理規約、納骨堂管理規約、境内建物管理規約など従来住職の頭の中で行なわれて来たことも明文化しておかなければならないでしょう。特に檀家制度が崩壊すると今まで以上に様々な経歴を積んだ方が出入りされますので、いままでの寺檀関係で済ますというわけには行かなくなります。この提言はもっともだと思われます。

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