2016年12月25日日曜日

犬と人間の違い

 
お寺の留守番犬リラが来て、もう5年が過ぎました。食事は日に2回で、散歩をしてウンチを1回して過ごします。毎日元気に見えますので、体調の変化に気付くことはありませんが、実は人間と一緒で、体調は毎日変化しています。

はじめての方には必ず吠えますが、10歳以下の子供には吠えません。何度か来ていただくと吠えなくなります。井戸で水をくまれたりして、目的がお墓参りだとわかると吠えません。自分の縄張りをどこからどこまでと意識していて、50メートル離れた駐車場であっても吠えます。

このように知能レベルが高い犬ですが、人間との決定的な違いがあります。帰りが遅くなるときに朝食と夕食を一緒に出すと、いくらこれは夕食用だといっても全部食べてしまいます。つまり夕食用にストックしておくということが出来ないのです。

犬には将来自分がどうなるかを予測する能力はありませんが、人間にはあります。そしていつかは自分も死ぬ運命にあることを知っています。知る方法は二つです。一つは自分の先祖が誰も生きていないということです。そしてもう一つは自分の体が確実に老化していることがわかるからです。死ということを科学的に知らなくても、経験的に体験的に予測するわけです。

人間は4才~7才のころに死を理解するといいます。死はショッキングな出来事ですので、このころの心のケアは大切です。病気で余命を宣告された場合、絶望感に陥ることが予想されます。実際に自死する人もあります。ではなぜ人間はそれを克服出来ているのでしょうか。つまり、どうせ死ぬのになぜ生きるのかということです。

答えは簡単です。日常生活の中では、死ぬことを忘れているからです。いつも死のことを考えていたのでは、生きられないということで、脳がそういう大切なことを忘れるように出来ているらしいです。人間はいつも目先のことを考えるように出来ています。

井上陽水の「傘がない」という歌も端的にそのことを表しています。考えなければならない大切なことがあるけど、今、問題なのは雨なのに傘がないということであるという歌です。ずっとそうであれば悩むことはないのですが、年老いてくると目先のことより死のことの方が比重を増して来るので、悩む日が多くなるというわけです。

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