2016年12月22日木曜日

宗教ブームとお寺

 
若い人にお遍路さんが流行ったり、パワースポットで人気が出たり、マインドフルネスということで瞑想や座禅、写経などがブームになっています。答申も「自然、身体性を伴う宗教体験が求められる趨勢に対して、真宗らしい対応が必要」と言っています。

親鸞聖人が自力修行を限界まで行い、その結果他力に帰するという境地に至ったのに対し、現在の真宗僧侶は自力を経験せず他力を教義として概念的に理解しようとしているのではないかと考えられます。浄土真宗の特長は門信徒そろっての聴聞にありますので、一般向けの法座体験会を、どこの寺院でも気軽に出来るような仕組みを作って行く必要があると思います。

出来る住職だけが先行するのではなく、浄土真宗のお寺であればどこに行っても体験出来ますというようなイメージを定着させる必要があるでしょう。また、真宗寺院では抵抗があるかも知れませんが、若い人の足をお寺に向けるため、仏教入門編として瞑想やヨガ、写経、写仏、仏像彫刻などの体験教室を取り入れることも考えなくてはなりません。

今までのお寺のイメージである葬儀・法事は非日常であり、それだけではお寺に足を運ぶ機会は数年に一回程度です。それではお寺を身近に感じることはなく、いつまで経っても敷居が高いままです。お寺を日常的に感じていただくためには、このブームを利用しない手はありません。

要するに法話会や講を中心に置きながら、誰もが日常的に足を運びやすい催しを考えればいいということです。子育て支援の一環として本堂を託児所として開放したり、フィットネスクラブやジムを開設いている寺院もあります。寺カフェは一般的になりましたし、コンサートは多くのお寺で取り組んでおられます。

しかし一方ではそういうものには一切関知しないというお寺さんもあります。これからもそれで成り立って行けば問題ないのでしょうが、気づいた時には手遅れということもありますよ。

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