2016年12月8日木曜日

除夜の鐘が消えてゆく


日本人をあらわす言葉に、クリスマスを祝い一週間後に除夜の鐘を聞き、正月には神社で初もうでをするという節操のなさを指摘する言葉がありますが、宗教というより風習のようなものだと思っていました。

ところが近所からのクレームで、除夜の鐘を止めるお寺が少しづつ増えています。東京・小金井市 にある、100年 以上の歴史を持つ『千手院』は、住宅街に囲まれているお寺ですが、近隣からの苦情で『除夜の鐘』の中止を決めたと言います。また、静岡県牧之原市にある、450年以上の歴史を持つ大澤寺も近隣の方からのクレームにより『除夜の鐘』をやめたそうです。

住みにくい世の中になったと思いますが、除夜の鐘の意味を説いたり、大切な風習だと言ったところで、そんなものは自分には関係ないと言われれば引き下がざるを得ない気もします。それに遠くから聞こえる鐘であれば風情があって良いと言えますが、すぐ近くで響きが伝わるとなると我慢して下さいとも言えません。

奥ゆかしい日本人が、嫌なことはイヤですと自己主張出来るようになったのかも知れません。それは良いことだと思いますが、そういうことが拡大解釈され、過剰反応になっては困ります。現代は24時間生活社会ですから、正月でも早朝から仕事をする人もありますから、そういう人にとっては深夜の鐘というのは迷惑かも知れません。

一人でも反対があったらやめるのか、あるいは多数決で押し切るのか、難しい面がありますが解決策は必ずあると思います。昼に鐘をつく『除夕の鐘』というのも一方法ですし、音を抑えて参加者だけが味わうというのも一つの方法だと思います。みんなで共存共栄できる方法を考えていくのもいいと思います。寂しくない世の中にしたいものです。

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