2017年8月20日日曜日

犯罪者を減らす効果的な方法

ちくま新書から出されている「入門犯罪心理学」原田隆之著を読みました。分かりやすく書いてある240ページほどの本ですから2時間ほどあれば読めます。犯罪者に身を落とす人はさぞかし特殊な思考や認知の持ち主だろうかと思ったのですが、全く違っていました。

テレビのワイドショーや芸能ニュースでは、犯罪に至った背景などを興味深く伝えますが、本来育った環境も性格も生い立ちも人それぞれですので、パターン化して考えることは無理なようです。

冒頭にあげられた事件として、池田小学校を襲撃した宅間守の凶行、次に秋葉原で車両による無差別殺人を犯した加藤智大の事件が取り上げられ、背景、生い立ちなどについて詳しく書かれています。また、その等質性、異質性について挙げながら、凶悪な無差別大量殺人としてひとくくりには出来ないと述べられています。
まず、犯罪を減らすための方策ですが、厳罰化による効果は犯罪の内容によって大きく変わるようです。ほとんど効果がないと言われているのが、薬物依存による犯罪や常習性の性犯罪のようです。これらはむしろ治療によって改善させる方向を目指した方が良いようです。そして日本でも早く新しい犯罪心理学を導入すべきであると言っています。エビデンスを積み重ね、自己欲望抑止力を高める方法を発見することが一番の早道のようです。

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