2017年5月11日木曜日

近代仏教思想


私の祖父である山名哲朗が、大正6年龍谷大学時代に、学友やOBなど8人で作った児童仏教書があります。出版は浄土真宗本願寺派教學課となっていますので、本山からも一応認められた本のようです。

いろいろと調べてもらったところ、この本は明治時代後半の仏教に元気がなかったころに、何とか仏教を蘇らせようと、キリスト教興隆の手法を真似て、こども対象の日曜学校の教科書として作られたもののようです。

当時の大学生が、なぜこれほどまでに仏教復興に燃えたのか、少し疑問に思っていましたが、碧海寿広さんの入門近代仏教思想を読んでなんとなく理解出来ました。明治時代に東大を首席で卒業した井上円了と言う人がいます。仏教と哲学を結びつけた人とし有名ですが、キリスト教に負けまいと仏教の興隆に心血を注いだ方です。

仏教は、論理や科学に反していないという仏教優位論を唱え、仏教の外側にいる人たちを対象にした仏教活論序論など多くの著作を残しています。それらを読んだのが、当時大学生であった祖父だったのでしょう。井上円了の思想は清沢満之や西田幾多郎にも大きな影響を与えています。当時の若者が影響を受けなかったはずはないと思います。さらに深堀して、井上円了との関係性を明らかにしたいと思っています。

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