2017年5月20日土曜日

葬儀の茶の子と香典返し

葬儀の茶の子というのは会葬お礼のことで、粗品と礼状がセットになっています。ごく身内で行なう家族葬の場合は対面でお礼が言えるので省略しても構わないのですが、参列者から、それを常識がないと言われたご遺族がありました。
実は茶の子をお返しするのは、儀礼の簡略化によるものです。きちんと対面して会葬お礼が言えるのではあれば、それが一番望ましいのです。例えば年頭あいさつは、一軒づつお伺いして対面して挨拶を申し上げるのが理想ですが、それが物理的な理由で出来ないので簡略化して年賀状で済ませているわけです。
そういうことが理解されずに、簡略化を正式と勘違いするところから先のような誤解が生まれます。お中元やお歳暮をもらった時にお礼状を出しますが、最後に書くのは「本来であればご尊顔を拝してお礼を申し上げるところですが、略儀にて失礼いたします。」というような一文です。対面でお礼を述べるのが一番礼儀正しいことなのです。本来の意味が失われるのは悲しいことですが、それを伝えていないのが一番の問題です。また、香典返しというのはいただいた香典に対しての返礼です。大概は3割から5割の返礼をするのが一般的です。茶の子と香典返しは、意義が違いますので、そこを正しく理解することが大切です。
 

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